イジワルな先生
「教室入ったら、お前が爆睡してたからびびったよ。起こそうか迷ったけど、あんまり気持ちよさそうに寝てたからやめた。」


淡々と話す工藤を睨みながら、

「んな優しさいらねーよ!!」

と心の中で思う。
生徒をからかうなんて…。
しかも…よりによって工藤に寝顔を見られてたなんて!!
最悪だぁ〜…(泣)


私の気分はすっかりブルーで、また机に顔を伏せた。


「また寝んのか?お前はほんとによく寝るな〜。ガキか?」


そんな工藤の嫌味な言葉も無視して机に顔を伏せていると、頭の上から工藤の声。


「大丈夫だって。心配すんな。お前の寝顔、けっこう可愛かったぞ?」


はっ!?
また急にそんなことを…。
昨日もいい加減なこと言って、私を焦らせるんだから!!
どーせ、色んな女の子に言ってるんでしょ。
そんなことで私の機嫌が直ると思ったら大間違いなんだから。


………。
て、おいっ!!!!
それじゃあ、まるで私が工藤を好きみたいじゃんかよ!!!!
意味わかんない、意味わかんない(゚ω゚;)



1人でうなっていると、またまた工藤の声。


「そろそろ他の生徒が来る時間だぞー。変な勘違いされたら困るから、職員室にでも戻るかな。」


その言葉を聞いて、またまた固まった私。
なに言ってんだ、こいつは…。
誰も勘違いなんかしんわ!!
自惚れんな、ばーか。



そう言いたいのをグッと我慢して、ニコッと笑顔で返す。


「そうですね〜。」

なんて…。


でもね、何でだろ…?
このとき私は、工藤の一つ一つの言葉になぜかときめいていたんだ…。
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