イジワルな先生

6.先生の気持ち

〜工藤side〜


なんなんだよ、あいつは。
急に泣き出して、理由も言わず逃げやがった…。


あいつはいつもこうだ。
いつも理解不能な行動をしては俺を惑わせやがる。



俺も馬鹿だよなー…
高校生相手にさぁ。
何、惑わされてんだよ。


でも、あいつの泣き顔見た時、正直、抱きしめたくなった。



そうだ。
俺はあいつが、真凛が好きだ。
初めて会ったあの日から…
俺は真凛がずっと好きだった。



相手は生徒だと分かっていたけど気持ちは抑えられなかった。
生徒とか関係ねぇ…
俺にとって、真凛は1人の女なんだよ。



「クソッ…」


真凛を泣かせたのは俺か?
でも、なんで泣いた?
もしかして真凛は俺の事が…
いやいや、それはないだろ!!



1人、放課後の校庭で佇む俺。
なにやってんだか。



でも今の俺の頭の中は、あいつでいっぱいだった。
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