イジワルな先生
そして、しばらくお喋りをしていたら、入学式の時間がやってきた。生徒たちは番号順に並んで、体育館に入場した。


「えー、本日はー…」

校長の長い話を聞いてたら、眠たくなってきた。まぶたがかなり重い。

早く終われ〜…


「……真凛っ!真凛っ!」

しばらくして、後ろから名前を呼ばれて目が覚めた。
名前を呼んでいたのは由利だ。


「も〜!何回呼んでも起きないからさ〜。爆睡してたし!」

由利は呆れた顔をしている。
すいません…。


「あはっ!寝ちゃってた!」

って軽くとぼけてみた。


「では、これで入学式を終了します。1年生の皆さんは、教室に戻って担任の先生の話を聞いてください。」

校長の合図で、生徒たちがゾロゾロと教室に戻りだした。
あちこちで、「校長の話、めっちゃ長かったよね〜。」なんて声がしている。


教室に戻ると、担任の工藤先生が皆に席に座るよう、呼びかけていた。
全員が席に着くと、工藤先生は話をし始めた。


正直、あいつの話なんてどーでもいいんだけど…。
一応、担任だしね…。


「改めて言うが、俺が担任の工藤だ。歳は23。1年間よろしくな〜。じゃあ、早速だが出席を取るぞ!!」


そう言うと、先生は出席を取り始めた。


「園田真凛」

自分の名前が呼ばれた。

「…はい。」

何であんたに名前を呼ばれて返事しなくちゃいけないんだ、と思いながらも渋々、返事した。

しばらくボーとしていると、後ろから女子のひそひそと話す声が聞こえてきた。


「ねぇ、工藤って結構、かっこよくない?身体も引き締まってて筋肉ありそうだし、あの一見、冷めてそうな性格も好き!あたし、狙っちゃおうかな!」


馬鹿馬鹿しい…。
なーにが、工藤はカッコイイだ!!
全然かっこよくなんかないわ。
大体、あいつの性格知ってんの!?


もう、めっちゃブルーだ。
気分は最悪。
でも…冷静に工藤を見てみると、確かにカッコイイ。
引き締まった身体。日焼けした肌。(何かスポーツやってんのかな?)ちょっと盛った髪。(教師がそんなんで良いのか?)すっと筋の通った鼻。薄い唇。意外にも大きい二重の目。


うぅ〜…
ムカつくけど、カッコイイ…。
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