イジワルな先生
話が終わって、今日はもう帰っていいことになった。
皆、異常にテンションが高い。
私と由利も帰ることにした。


「真凛、帰ろ〜!!」

由利に名前を呼ばれて返事をしようとした時、

「園田〜!お前はちょっと学校に残れ。」

よりによって、工藤に呼び止められた。
しかも、なんで私なの!?
なんで入学そうそう居残り!?

「真凛…早速、目つけられちゃったね〜。まあ、頑張って☆じゃあ、あたし先帰るね!」


そう言って、由利はさっさと帰っていってしまった。
薄情者〜!!


生徒全員(私以外)が帰ってから、教室には私と工藤だけになった。なぜか気まずい雰囲気が流れる…。


「先生…、何で私だけ入学そうそう居残りなんですか?」

勇気を出して聞いてみた。
すると、工藤はニヤっと笑ってこっちを見たかと思うと、おもむろに口を開いた。


「お前…本当にこの学校に入学したんだな。しかも俺が担任だとはな〜。1年間、楽しくなりそうだな!てなわけで、早速お前に俺の仕事を手伝わせてやるから付いてこい。」


………は?

今こいつ、なんて言った?
俺の仕事を手伝わせてやるから付いてこいだあっっ!?


「先生!!なんで私が仕事を手伝わなきゃいけないんですか!先生の仕事でしょ!?」


また、こいつに対してぶちギレてしまった…。
しかも、担任に…。


「相変わらず威勢がいいなあ。気に入ったよ。」


工藤はまた訳の分からないことを言いながら、さっさと教室をあとにする。

「ちょっ!待ってよ!」

私は渋々、あとを付いて行った。

しばらく付いていくと、資料室のようなところに工藤は入っていった。


恐る恐る中に入ると、工藤が沢山の資料の山とにらめっこしていた。その姿がなんだか可笑しくて、思わず笑ってしまう。


「おっ?お前、初めて俺の前で笑ったな〜。なんだよ、ちゃんと笑えんじゃん!笑ってたほうが可愛いよ。」


突然の工藤の言葉に、びっくりしてしまった。まさか、工藤からそんなけと言われるなんて。

私はその時、不覚にも工藤にドキッとしてしまったのである。
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