成熟と化して
「龍神兄ちゃんが風紀委員の仕事があるときはいつも姫と平がしてるのか?」
「うん。父ちゃんはいつもしない。母さんは、パートに行ってるの」
「そうか」
「こらーお前ら。ちゃんと店番しろよ!!!」
店の奥から父ちゃんがでてきた。
「ごめんなさい!!!ごめんなさい!ごめんなさい」
姫と平は怯えるように紙田の後ろに隠れた
「お客さまの迷惑になるだろーが。ちょっとこっちへ来い!!」
姫と平の手を引っ張る父ちゃん。
しかし、それは紙田が父ちゃんを殴り制された。
「てめーのドスのきいた太い声の方が、よっぽど迷惑だ。騒音なんだよ!!!黙れ!!一生しゃべるな!!ヒモ野郎」
「なんだと!!」
父ちゃんも紙田を殴り、激しく地面に尻をついた。
「いつもいつも…姫と平、風紀委員長をこんな風に殴ってんのか?」
「だから何だ?」
紙田を嘲笑うような顔で見、そんな相手を紙田は睨み付けていた。
「父ちゃん、やめて」
「里果たちがちゃんとするから!!!」
喧嘩を止めようと、里果たちが泣きながら言う。
紙田は里果たちを見ながら
「…この子たちの方がよっぽど大人だな」
また、父さんを睨み付け
「死ねよ。バーカ」
父さんは一瞬、体を震わせた。
「あんたの顔、ブラックリストだな」
わなわなと父さんの体が震えている
「調子こくな!!」
紙田の襟首をつかみ、また殴ろうとする。
しかし、紙田が再び殴られることはなかった。
「おい、父さん何してんだよ!!」
龍神が帰ってきたからだ。