成熟と化して
紙田は何かを考えるように肘をテーブルについた。
@
次の日、集会があった。
いつもなら紙田は出ないが、今日は風紀委員長が心配で見に行った。
案の定、顔は腫れていた。しかし態度は堂々としていた。
―あいつ…すげーな
心の底から紙田は思った。
集会を途中から抜け出し、部室へと向かう。
佐藤はいなかったが、それは何の問題もないと言った感じで、部室の本棚にある本を見始めた。
そして何冊から取ったあと、調べ始めた。
@
学校のいる時間だったが、紙田は風紀委員長の母親が働いている店に行った。
一瞬見ただけだが母親の顔を覚えており、すぐに分かった。
よく見たら、腕に複数の青アザがあった。
「すみません」
「はい…あ、里果と龍大を預かってくれてる人ですよね?」
紙田は少し驚いたが、すぐにまた真剣な顔に戻った
「用があるので、夜に会ってくれませんか?」
「?…わかりました」
そう言ったあと、会う場所、時間を決め、紙田はまた学校に戻った。
学校に戻ると生徒指導の先生が立っており、こっぴどく叱られたが、紙田は気にしなかった。
@
夜。
ファーストフード店の椅子に座りながら、紙田とお母さんは話をしていた。
「あの…お話とは何ですか?」
風紀委員長のお母さんが、紙田に尋ねた。
「あなたの夫のことです」
「……」
風紀委員長の母はさっそく俯いた。
「あなた、龍神や、里果や龍大が暴力振るわれてること知ってるでしょ?あなただって…!!」
「……」