成熟と化して
「あいつらの為にあいつと離婚して下さい」
風紀委員長の母は顔をあげ
「あなたに…あなたに何がわかるというのですか!!
私たちの事情も知らないで…!!」
「じゃあ、あんたは龍大や里果の気持ち考えたことがありますか?」
「…」
また、風紀委員長の母は俯く。
「あいつらは、あんな奴、地獄に堕ちて、閻魔様に舌抜かれたらいいのに、と言ってます」
「……」
「風紀委員長だって、精神的に参ってます」
「……」
「何で黙ってるんですか?」
「…」
「顔をあげて下さい。あなた、人の親なんですよ?」
「私は…どうすればいいのでしょうか?」
俯きながら、風紀委員長の母親は口を開いた。
「離婚して下さい。里果たちを守ってください」
「でも…離婚したら金がありません」
「それなら心配いりません、生活保護だってあるし、もしそれが嫌なら…」
紙田は少し間をあけ
「俺が一生、あなたたちを援助します」
「え?」
「大丈夫です。こう見えて、いいとこのお坊ちゃんですから」
「そうなんですか?」
そうは見えないと言った顔で、紙田を見る風紀委員長の母。
「はい、だから大丈夫。父も母も許可くれます。許可くれなかったら、父殺して俺が社長になり、援助します」
これには風紀委員長の母は苦笑いした。