成熟と化して
「何だったら、結婚してもいいですよ」
「それは結構です」
風紀委員長の母はきっぱりと断ったあと、
「私は離婚に向けて、何をしたらいいんですか?」
他力本願なのは変わりないが、目には決意で溢れていた。
―あ、風紀委員長に似てるな
「コピーしてきました」
テーブルに何枚かの紙を出した。
「この証拠の写真は、俺が撮ります。結構上手いですよ?」
そう言って、柳川先生の援助交際の話をし、"やってるシーン"まで撮ったと言う紙田。
その写真を見せようか?言ったが、風紀委員長の母は一蹴した。
「わかりました。ありがとうございます」
「大丈夫。何か遇ったら俺が護ります。あなたも、風紀委員長も姫も平も」
風紀委員長の母はニコリと笑うと、紙を鞄に入れ、家に帰っていった。
―あの人は、ただ助け方がわからなかっただけなんだ
そう思ったあと、安堵の息を洩らした
もし、あの母も一緒に虐待をしている、もしくは見てみぬふりをしていなかったから。
「よっし、俺も帰るか」
里果と龍大が待つ家へ。