成熟と化して
「おめーが、あいつ唆したのか?だったらおめーのせいだな?」
そう言って、ナイフを取り出す父
「あれ?またこの展開!!?」
と、すっとんきょうな声を挙げたあと
「喧嘩なら受けてたつぜ、おっさん」
不敵な笑みを浮かべながら風紀委員長の父に近づく紙田。
しかし、紙田の前に腕が現れた。風紀委員長が紙田を止めたのだ。
「なんだよ、あんた」
紙田が風紀委員長を睨む
「あいつは俺の父だ」
「まだそんなこと言ってんのかよ!!」
「違う。俺の父だ、だから俺が"あいつ"を殴らなきゃいけない」
「ぶぁーはっはっはっ!!」
汚い笑い声を上げる父。
「殴るぅ?お前なんか怯えて抵抗も出来なかったくせになっ!!!そのお前が殴るっていうのかよ」
「………」
父の言葉を無視し、一歩ずつ、ゆっくりと近づく。
「お前なんかな、最初から息子だと思ってないんだよ!!!ぶぁーか!!」
下卑た声で言うと、男はナイフを振り上げ、龍神を切りつけようとする。
しかし、それは当たることはなかった
当たる前に、龍神に殴られたのだ
ナイフは手から離れ、男は激しく地面に尻もちをついた
「それ聞いて安心した」
龍神は男の上に乗り、また一発、顔を殴る。
「もうてめーは俺の…いや俺たち三人の父じゃないし、母さんの夫でもない」
また一発。
「それとなー、人間でもねーよ!!!」
今度は五発。
口から血が出始める。
「人前に出れねー顔にしてやるよ!!!」
今度は十発
「死ねや。腐れジジイ」
龍神立ち上がり、思いっきり鼻を踏みつけた
「ウガァァアア!!!」
男は悲鳴をあげながら鼻を押さえている
どうやら骨が折れたらしい