成熟と化して
「二度と俺たち家族に近づくな。赤の他人さん」
そう言ったあと、龍大、里果、母の元に戻り、"男"から離れていった
「つーかさ、父だから殴るって言ったのに、父じゃないって言ったあと殴っちゃいけないじゃん」
と言う紙田
「空気を読め!!」
「いいじゃん。思ったんだから」
「てめーも殴ろうか?」
「兄ちゃん!!殴っちゃダメ!!」
「そうだよ!!人殴っちゃダメ」
「龍神、あの腐れジジイ以外、殴っちゃダメよ」
「分かった分かった。母さんのそう言うなら聞くよ」
「あっ!!」
里果が声をあげた。
「どうしたの?里果」
龍大が里花聞く
「隊長、前に母さんも強いって言ってたよね?」
「うんうん」
「強い兄ちゃんを言うこと聞かせてる、それって、兄ちゃんより強いってことだよね!!?」
里果は紙田の方を向いた。
自分が言った"強さ"とは違うが面倒ので「そうだよ」と言っておいた。
「何話してんだよ。おまえら」
「へへへー」
「そういや、あの八百屋、どっちなんですか?」
「あれは私の代々の家だから、私たちのよ」
「えっ!!?じゃああの腐れジジイ、婿のくせにあんな偉そうだったの?」
「そうなるな」
「やっぱ閻魔様に舌抜かれたらいいのに」
「舌抜かれろ」
「だからそれは嘘ついたときだよ」
後日、男の荷物は全て捨てて、部屋を模様替えした、龍神一家
龍神の母の手伝いや、弟たちの世話など、忙しさは変わらないが、龍神はそれでいいと思った。
笑顔が溢れる、それだけで充分だった。