成熟と化して

「勝手に決めないで下さい!!つか、俺女に興味ないので」

「男に興味あるのか?」

「何でそんな発想するんですか、なわけないでしょ!!」

「怒ってばっかだな」

「あんたらのせいだろ」


「ふふふふ」

「いや、笑うところじゃないから!!」


とにかくと佐藤は言ったあと

「俺は結婚しません。以上」

「ひどいわ!!!」

紀美子は泣きそうな顔で言う

「佐藤の顔が?」

「違うわよ!!空気を読みなさい!!」

「ま、実際プロポーズじゃなくてパンツの話だったしな」

「なんで知ってるんですか?」

紙田に聞いたが、無視をされた

「本当に好きなら、結婚しろ、じゃないだろ?」

優しい微笑みで、紀美子に言う紙田。

「…」

紀美子は少し考えたあと、佐藤の方をみた。
それはさっきまでとは違う、真剣な顔であった。超ウルトラ級蜂でもモスラ級でも、不法侵入女でもなかった。

純粋に、一人の男に恋をする乙女だった

「さ、さささささささ佐藤くん」

―動揺しすぎだ

と、佐藤は思ったが、口には出さなかった。

「ずっと、年中の頃から好きでした!!!付き合って下さい!!」


頬を赤く染め、その顔はかわいらしかった。
みつあみをしているせいか、若干のエロスを感じる


佐藤の答えはもちろん…



「ごめん」

たった一言言って、佐藤はその場を離れる。

「……」

紀美子は無言で紙田をみたが、紙田は静かに目線を外した。

「ま、あれだよ」

紙田はフォローしようとする

「一寸先は闇だよ」


そう言って、紙田もその場をあとにした。

その場に残ったのは、白くなった超ウルトラ級蜂だけであった。



-end-

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