成熟と化して

「なんなんだあんたらは」

「紙田と」

「佐藤です」

「二人合わせて盛り上げ部だ」

「最近活動してませんけどね」


佐藤を空気的存在にすることに失敗した弁子は、言葉を訛りにすることにした。

「やめろ、ややこしいことするな。あと話進めろ」

ということで、話を戻す

「盛り上げ部…?」

「紙田だ」

「それはさっき聞いた」

「佐藤です」

「うん、それもさっき聞いたから」

「早まっちゃダメですよ」

「そうだそうだ。学校の迷惑考えろ!!」


紙田なりに止めさせようとしているらしいが、なにかが違う。

「おまえらさ、いい加減しろよ」

「紙田だ」

「佐藤です」

「それはもういい!!何回同じことするんだ!!」

「うーん…あと50回ぐらい?」

「100回にしましょうよ」

「いや、そんなに言わなくてもちゃんと理解できるから」

苦笑いするサラリーマン
そんなサラリーマンに不満げな顔をする紙田
「何だよ、そっちが聞いてきたんだろ」

「はいはい、ごめんなさい」

やっつけにサラリーマンは言った。

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