成熟と化して

冬休み

紙田、佐藤、アホタの三人は(一人アンドロイド)自由研究に向けて、山へ向かっていた。


題は、『山姥に会いに行こう』という、可愛らしい物だった


「やっぱり、冬に山姥なんてでねーだろ!!冬眠してるだろ!!」

「山姥は冬眠しませんよ」

「エブリスタカンシャサイ…」


三人はおよそ3時間は山を歩いていた。

一向に現れない山姥に紙田は苛立っているのだ


「もういっそのこと、その辺に住んでるばぁちゃん学校に連れてくか」

「それ誘拐です!!」

「エブリスタカンシャサイ」

「アホタはさっきから五月蝿い!!」

「ゴガツゼミイ?」

「うるさい、です!!」

「それにしても…」

紙田は目を細めながら、辺りを見渡す。

「ここ、どこ?」

「………」

「エブリスタカンシャサイ」


紙田たちは、決められた山道を歩いていなかったため、道に迷ったのだ


「どーするんですか!!」

「あはは、ま、何とかなるだろ」

「何とかなるじゃないですよ!!!」

「大丈夫。朝、ちゃんと朝食とったし」

「いや、そういう問題じゃないでしょ!?」

「ノイチゴバンザイ」




佐藤たちは歩き疲れ、地面に座り、休憩していた。

「…あーあお腹すきました」

もう辺りは薄暗くなってきた。
時計を見るともう4時であった。

「ったく、誰だよ」

「あなたでしょ?…はぁお腹すいた」

「アンドロイドダカラオナカスカナイ」

「…ちょっと黙ってて下さい」


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