成熟と化して



木から降り、グランドを走っている。
校外に出るためだ

すると

ドガーーーーーン!!!

でっかいハンマーが、飛んできた
当たってはないが

「死ぬッ!!!」

だが一回だけだったので安心した―だが、

「うわっ!!!」

落とし穴にハマった

―何気に深い

脱出は困難にだった。

「誰かーいませんかー?」

さすがに授業中の為、誰もいない

―てか、こんなにすごい音立ててるのに、なんで先生は来ないんだ?

と、疑問に思いながら、穴から出ようとするが、なかなか出られない

いたずらに時間が過ぎていくだけ
しかし、佐藤が上野の前に現れることはなかった。

「…よかった」

安堵していると、12時を知らせるチャイムが鳴った

「お昼か…」

―まさか自分がこんな目に遭うとは…

少し憂いていると、

「上野くん…」

「!!!」

佐藤が上から見下ろしていた

「楽しめた?」

無表情のまま、囁くように言う佐藤に再び恐怖が湧いてきた。

―お母さん、お父さん。さようなら

死を覚悟したとき

「いや~お疲れ~カツカレー」

張りつめた空気にそぐわない、間抜けな言い方で、紙田が現れた

「楽しめた?一日たったけど」

「え…?」

上野は理解出来ないように、紙田たちを見つめた。

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