成熟と化して
それから、紙田と佐藤は順調に進級して行き、紙田はとうとう卒業することになった。
ばいばい。紙田。
「はい、ちょっと待てー。かなりすっ飛ばしたな」
「いいじゃないですか。減るものじゃないし」
「ジュミョウハカクジツニヘッテルケドナ」
「前の話と展開が被り過ぎてるし」
と、紙田は苦笑いした。
「それにしても、卒業か…早いもんだな」
珍しく、悲しそうな顔をする、紙田。
「キモクネ?」
と、アホタの毒舌は無視し、紙田はこの高校三年間を振り返っていた。
盛り上げ部、入部のとき。
先輩が一人と、自分だけだった。
この先輩は、とんでもなく活発であった。
今の紙田はこの先輩の性格が移ったようなものだった。
「おい、紙田。女の子からモテる方法って何だと思うか?」
「え、やっぱり話上手な人ですかね」
「違う。スカートめくりだ」
「…アホ?」
「スカートめくりをし、いたずら小僧と見せかけ、ふと見せる優しさ。このギャップに女は萌えるのだ」
「なるほど!!わかりました先輩。俺やってみます!!」
「その意気だ!!紙田!!」
息の合った二人だった。
もちろん紙田は女の子たちに殴られたが。
そんな先輩も、卒業することになった。
卒業式後、先輩の元に行く紙田。
「先輩、卒業おめでとうございます」
「サンキュー。でもかわいい女の子に言われた方が嬉しいや。一年一人かわいい女の子連れてこい」
「じゃあ金ください」