成熟と化して
「全く…先輩は俺たちがそんな関係だと思ったのですか?」
「いや、だって結婚って…」
「だからって、肉体関係に繋げるなんて…」
「いや、俺その意味で言ったんじゃ…」
「いえ、あなたはその意味で言いました」
「あ…結局決めつけるのね…」
〇
佐藤のキャラも崩壊したこの頃。
とうとう卒業式がきた。
紙田を含め3年は、緊張と不安、期待の色がうかがえた。
もう既に泣いている人もいた。
そんな頃、紙田と同い年ぐらいの男が学校に入ってきた。ちなみに石垣ではない。
髪を派手な色に染め、耳にはピアスを何個かしている典型的な不良だった。
手には金属バットを持っていた。
大体予想できるだろう。
「おい、紙田!!!」
金属少年は、並んでいた紙田に向かって怒鳴るように言った。
「……」
紙田は金属少年の方を見た。
「忘れたとは言わせないぞ!!おまえの」
「ごめん。誰?」
怪訝そうな顔で金属少年を見る紙田。
周りの3年は、ざわざわと騒ぎ始めていた。
金属少年は一瞬固まり、
「お、おまえに…」
明らかに動揺している
「嵌められた芽達だ!!!」
「ああ!!」
やっと分かったように紙田は声をあげる
「芽達たがりくんか!」
「芽達たかしだっ!!」