成熟と化して

「全く…先輩は俺たちがそんな関係だと思ったのですか?」


「いや、だって結婚って…」


「だからって、肉体関係に繋げるなんて…」


「いや、俺その意味で言ったんじゃ…」


「いえ、あなたはその意味で言いました」


「あ…結局決めつけるのね…」




佐藤のキャラも崩壊したこの頃。


とうとう卒業式がきた。

紙田を含め3年は、緊張と不安、期待の色がうかがえた。

もう既に泣いている人もいた。


そんな頃、紙田と同い年ぐらいの男が学校に入ってきた。ちなみに石垣ではない。

髪を派手な色に染め、耳にはピアスを何個かしている典型的な不良だった。

手には金属バットを持っていた。



大体予想できるだろう。


「おい、紙田!!!」

金属少年は、並んでいた紙田に向かって怒鳴るように言った。


「……」

紙田は金属少年の方を見た。

「忘れたとは言わせないぞ!!おまえの」

「ごめん。誰?」

怪訝そうな顔で金属少年を見る紙田。
周りの3年は、ざわざわと騒ぎ始めていた。

金属少年は一瞬固まり、

「お、おまえに…」

明らかに動揺している

「嵌められた芽達だ!!!」

「ああ!!」

やっと分かったように紙田は声をあげる


「芽達たがりくんか!」


「芽達たかしだっ!!」

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