成熟と化して
「あ…あの、続けていいですか?」
校長が遠慮気味に言う。
「あ、…はい」
芽達は、顔を赤らめ俯く。
隣の男共は、芽達を一瞥したあとまた校長のつまらない話を聞いた。
〇
退場もし、芽達たちは教室に向かった。
いよいよ最後の別れだ。
―…ああ、会えなくなるのか
少し寂しいな
―あいつ、性格も顔も悪いが、いいライバルだった。
―このまま別れていいのか?
芽達は、紙田の方へ近づく。
「紙田…」
「ん?」
―相変わらず、にやけた顔がむかつくっ
「今までありがとうな」
「俺、何かしたっけ?」
しまくりだ。だから俺は警察に捕まった。
「いい、ライバルだった」
「よくわかんねーけどさ、いい戦いだったな」
「ああ」
俺は、今ならはっきりと言える。心底から。
この紙田に、ありがとうって。
「ところでさ…」
「何だい、紙田」
「あなた誰ですか?」
「………」
―何その他人行儀。
校長が遠慮気味に言う。
「あ、…はい」
芽達は、顔を赤らめ俯く。
隣の男共は、芽達を一瞥したあとまた校長のつまらない話を聞いた。
〇
退場もし、芽達たちは教室に向かった。
いよいよ最後の別れだ。
―…ああ、会えなくなるのか
少し寂しいな
―あいつ、性格も顔も悪いが、いいライバルだった。
―このまま別れていいのか?
芽達は、紙田の方へ近づく。
「紙田…」
「ん?」
―相変わらず、にやけた顔がむかつくっ
「今までありがとうな」
「俺、何かしたっけ?」
しまくりだ。だから俺は警察に捕まった。
「いい、ライバルだった」
「よくわかんねーけどさ、いい戦いだったな」
「ああ」
俺は、今ならはっきりと言える。心底から。
この紙田に、ありがとうって。
「ところでさ…」
「何だい、紙田」
「あなた誰ですか?」
「………」
―何その他人行儀。