成熟と化して
「かーみーたー」
先生が来はじめた
―遅っ!!
「おまえ、今度と言う今度はな」
「いいんですか?先生」
不敵に笑う、紙田。
「先生の秘密、バラシちゃって」
「うっ…」
と、少し詰まったあと、吐き捨てるように
「今度したら、退学させるからな!!!」
そう言って、帰っていく
―秘密握られてるのに、何でわざわざ来たんだろ…
という上野の純粋な疑問を読んだかのように
「大方、出番が欲しかったんだろ」
と、紙田が呟いた
上野はなるほど、とまた素直に納得した。
※
その放課後、部室には、紙田と佐藤がそれぞれの時間を過ごしていた。
紙田はいかがわしい本を読み、佐藤は携帯でメールをしていた。
「それにしても…暇ですね」
「そうだな」
―次の標的は誰にしようかな~?
と、玩具を貰った子供のように、嬉しそうに、次は誰にするか考えていた。
-end-