成熟と化して


なんやかんやあったが、何とか一日目終了した。

「この赤ちゃん、誰の家で寝かすんですか?」

「おまえに決まってるだろ」

即答に言い、さっさと赤ちゃんを渡し、さっさと帰っていく紙田。

「ミルク、デ〇〇ルで頼むなよ」

「あんたじゃないんだからそんなことしません!!!!」

「あははは」

そう言って、スキップしながら帰っていく紙田。

「どーすっかな」

幸い、一人暮らしなので、親に許可を貰う必要はない

だが、一人暮らしだからこそ問題なのも多かった。

まず、赤ちゃんの世話をどうやるのか、詳しく知らなかった。

一応、ミルク、おむつの入れ替えは出来るが、それだけじゃ赤ちゃんは育てられない。

夜泣きに耐えられるか、そこが一番の問題だ。

この歳の赤ちゃんだ。夜泣きはするだろう。

一応、紙田が預かってたのだろう、あやす道具をダンボールに積めて置いていった。

おむつもある。寝巻きもある。

―そもそも、何で紙田に赤ちゃんを預けたのだ。ミステイクだろ

と、冷ややかなことを思っていたが、「私が預かりましょう」と言う、心優しき、天使のような人が現れないのも実情。

「ここで一週間。泊まるか」

佐藤は、部室に泊まることにした。
よくよく考えたら、これだけの荷物を赤ちゃんも抱えたまんま、運べるわけがない。

布団もちょうどあるわけだし。

―つーか、紙田。泊まること予想してただろ

と軽く怒りを布団にぶつけた後、寝ることにした

< 24 / 202 >

この作品をシェア

pagetop