成熟と化して
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なんやかんやあったが、何とか一日目終了した。
「この赤ちゃん、誰の家で寝かすんですか?」
「おまえに決まってるだろ」
即答に言い、さっさと赤ちゃんを渡し、さっさと帰っていく紙田。
「ミルク、デ〇〇ルで頼むなよ」
「あんたじゃないんだからそんなことしません!!!!」
「あははは」
そう言って、スキップしながら帰っていく紙田。
「どーすっかな」
幸い、一人暮らしなので、親に許可を貰う必要はない
だが、一人暮らしだからこそ問題なのも多かった。
まず、赤ちゃんの世話をどうやるのか、詳しく知らなかった。
一応、ミルク、おむつの入れ替えは出来るが、それだけじゃ赤ちゃんは育てられない。
夜泣きに耐えられるか、そこが一番の問題だ。
この歳の赤ちゃんだ。夜泣きはするだろう。
一応、紙田が預かってたのだろう、あやす道具をダンボールに積めて置いていった。
おむつもある。寝巻きもある。
―そもそも、何で紙田に赤ちゃんを預けたのだ。ミステイクだろ
と、冷ややかなことを思っていたが、「私が預かりましょう」と言う、心優しき、天使のような人が現れないのも実情。
「ここで一週間。泊まるか」
佐藤は、部室に泊まることにした。
よくよく考えたら、これだけの荷物を赤ちゃんも抱えたまんま、運べるわけがない。
布団もちょうどあるわけだし。
―つーか、紙田。泊まること予想してただろ
と軽く怒りを布団にぶつけた後、寝ることにした