成熟と化して



次の朝
部室に来てみた紙田は驚愕した。

「おまえ…」

佐藤を哀れんだ目で見た
思わず、持っていたカバンを落としそうになった

「おまえ…とうとう…」
紙田の言葉が詰まる。なかなか言いづらかった

「……壊れたか」

そこには、マジックペンで床に思いっきり、『誰か。寝かせろ。ヘルプミー。ヘ〇〇ミー。』と書いてあった。

「ああ、俺のキャラが転移したのか…悪いことしたな」

と棒読みで言う紙田。
「…おはようございます」

目の下に濃い隈があり、とても疲れた状態だということが、分かる

「お疲れ。今日から俺もやるわ」

「…ありがとうございます」


「……子育てって、大変なんだな」

と紙田が言ってすぐに、赤ちゃんが泣き始めた

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