成熟と化して
※
赤ちゃんも寝、それぞれの自由な時間を過ごしていた。
ソファに座り、佐藤は相変わらず、携帯でメールをしている。
紙田はソファに寝転がり、いかがわしい本をまた読んでいた。
「先輩」
「ん?」
「死んでください」
「無理だ」
「なぜですか?」
「死にたくないから」
「実にショックだ」
そんな会話をしていると、赤ちゃんが目を覚ました
「そういえば、今さらですけど、赤ちゃんの名前、何て言うんですか?」
「聞いてないから知らん」
「……何だそれ」
もう慣れたようで、紙田の態度にいちいち呆れることはなかった。
赤ちゃんは天井を見て笑っている。
―怖っ
「あははー。おまえ、あいつが見えるのか?」
意味ありげのことを言う紙田にも身震いをしながら、聞かなかったことにした。
「そうだっ」
紙田は何か思い付いたように声をあげた
「憂鬱そうにしてるこの赤ちゃんを―」
「暇だからって無理矢理決めつけるのやめません!!?」
「やめない!!」
「いや、やめようよ」
「やめるわけない!!俺様が決めたことは絶対なのだ!!!」
と、高笑いしたあと、紙田は、手榴弾を持ち
「雪合戦ならぬ、合戦だ」
「うん。やめましょう」
冷静に言う佐藤。