成熟と化して

「!!」

今度こそ言葉が出ないクッキング部部員の一人。

「…先輩、もういいですよ」

と、後ろの清楚そうな女の子が言った

「あ、かわいい」

と紙田が呟くが、相手の子は、紙田たちをキッと睨むと、クッキング部部員たちとどこかへ行ってしまった

「気ぃ強い女だな。嫌いだ」

と、呟くと、スピーカーから、

「優勝結果が出ました。」

紙田は集中して放送の声を聞いている。
佐藤は特に気にすることもなく、携帯をいじってる。

「優勝者は―野球部です。野球部の代表者は、舞台に上がって下さい」

そこまで言って放送は切れた。

「あーあ、負けちゃいましたね」

「……」

「先輩?」

佐藤が紙田の方に視線を移すと、紙田は少し悲しそうな顔をしていた。

―そんなに優勝したかったのかな?

「ま、先輩。来年がありますよ」

「来年…か」

来年なんか、どうでもいいと言った感じに、紙田は呟いたあと、また元に戻り、

「あーあ、負けちった。これも青春の一ページかな」

と、間抜けな声を発しながら、うん〇型ロボットを爆発させた。

「こらー!!紙田!!」

後ろからは先生が怒鳴る声が聞こえたが、特に気にするようもなく、スタスタと歩き始めた。

佐藤は紙田の背中を見つめながら、一つの考えが浮かんだが、すぐに消え、紙田の後を追いかけた



-end-

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