成熟と化して
「……」
紙田は暫く、風紀委員長を見上げながら見ていた。
そして何か思いついたように
「今ならこのロボットを、限定一名様に売りまーす!!」
風紀委員長を指しながら言った。
「おい!!ふざけたことぬかすと―」
「私買いたい」
「私も!!買いたい」
風紀委員長がイケメンだったためか、買うお客様が続々でてくる
―女は、何歳たっても女だな
と紙田は意味不明なことを思ったあと
「よし!!このロボット本人が気に入った人にあげよう」
奥さまは、ワーキャー言いながら、風紀委員長を塀の上から落とすように下ろさせると、アピールしまくった。
紙田はその隙に走って逃げていく
「おい、紙田!!」
追いかけようにも、奥さま方が邪魔をし追いかけられない
「俺はロボットじゃねぇ!!」
と、叫ぶが、奥様方の声で消え失せた
※
「ニシシ…」
紙田はニヤニヤ笑いながら、校舎の中へと入っていく
「えーと…佐藤はどこだっけ?」
文化祭のパンフレットを見ながら、あちこちの店に行く
「パンダ屋ハウス?気になるな、行ってみよ」
そう言って、パンダ屋ハウスに行くことにした。
廊下を歩いていると、かつおぶしを持った佐藤を発見した。
「あ、佐藤」
「あ、先輩」
互いに見合わせ、紙田はニシシと笑い、
「そろそろやるぞ」
「何を?」
怪訝そうに自分を見る佐藤に、紙田も怪訝そうに佐藤を見る。
「…あ、そっか」
紙田は自分が佐藤に何も言ってないことを思い出した。
「気にするな」
と、言って、佐藤から離れる
「?」
佐藤は紙田の姿を訝しげに見ながら、どうでもいいかと思い、また文化祭を謳歌し始めた。