成熟と化して

「……」

紙田は暫く、風紀委員長を見上げながら見ていた。
そして何か思いついたように

「今ならこのロボットを、限定一名様に売りまーす!!」

風紀委員長を指しながら言った。

「おい!!ふざけたことぬかすと―」

「私買いたい」

「私も!!買いたい」

風紀委員長がイケメンだったためか、買うお客様が続々でてくる

―女は、何歳たっても女だな

と紙田は意味不明なことを思ったあと

「よし!!このロボット本人が気に入った人にあげよう」


奥さまは、ワーキャー言いながら、風紀委員長を塀の上から落とすように下ろさせると、アピールしまくった。
紙田はその隙に走って逃げていく

「おい、紙田!!」

追いかけようにも、奥さま方が邪魔をし追いかけられない

「俺はロボットじゃねぇ!!」

と、叫ぶが、奥様方の声で消え失せた




「ニシシ…」

紙田はニヤニヤ笑いながら、校舎の中へと入っていく

「えーと…佐藤はどこだっけ?」

文化祭のパンフレットを見ながら、あちこちの店に行く

「パンダ屋ハウス?気になるな、行ってみよ」

そう言って、パンダ屋ハウスに行くことにした。


廊下を歩いていると、かつおぶしを持った佐藤を発見した。

「あ、佐藤」

「あ、先輩」

互いに見合わせ、紙田はニシシと笑い、

「そろそろやるぞ」

「何を?」

怪訝そうに自分を見る佐藤に、紙田も怪訝そうに佐藤を見る。

「…あ、そっか」

紙田は自分が佐藤に何も言ってないことを思い出した。

「気にするな」

と、言って、佐藤から離れる

「?」

佐藤は紙田の姿を訝しげに見ながら、どうでもいいかと思い、また文化祭を謳歌し始めた。

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