成熟と化して
はい、ちょっとページ稼ぎ
「いや、そんな素直に言わなくていいですから」
と、佐藤は丁寧に言ってくれたあと、カフェで満喫していた
中は結構本格的であった。
メニューも丁寧にコーティングされており、わざわざワープロで打ってあった
綺麗な花の絵も書かれていた。
テーブル(机)もわざわざテーブルクロスをひいていた
―めちゃくちゃ凝ってるな
と、佐藤は密かに感心しながらメニュー表を見た。
「…ん?」
よく見ると、聞き慣れない名前ばかりだ
―鼠のソテー
―溝鼠のソテー
―針ネズミのソテー
・鼠
・鼠
・鼠
・鼠
「……鼠好きだな、あとソテーも。すみませーん」
手をあげて佐藤は店員を呼んだ
「はい、メニューお決まりでしょうか?」
「いや、普通に決まるわけないでしょ。何ですか、溝鼠のソテーって」
「はい、こちらは溝鼠を捕まえ、ソテー風に作った料理です」
「ご丁寧に説明どーも…じゃなくって…」
その時、怖そうなお兄ちゃんが何人か佐藤を囲むように出てきて、睨み付けた
「なんだよ?文句言ってタダ酒飲もうってハラか?」
「俺まだ何も食べてないし!!つーか、まだ未成年だから」
「いちいちうるせー奴だな!!!」
そう言って、一人の男が拳をあげた―その時
ピンポンパンポン?
「いや、聞くな!!?」
と、反射的に佐藤は言ったが、放送をする人はそんなの聞こえるはずもないので、お構いなしに続ける
「聞くなって…聞いちゃ悪いかッ!!!」
あ、お構い無しに続けてないし、まあいいや。
―あ、紙田だ
声だけで瞬時に気付いた佐藤くん。