成熟と化して
「なあ、矢渕さん」
普通に紙田は校庭を歩きながら、隣にいる矢渕に聞いた。
「なんだ?」
「そろそろページがPVの二倍になるけど、大丈夫かな?」
「問題ない。PVはいつか増える。誰かが二ページも読めば、二倍じゃなくなる」
「なるほど、頭いいですね!!」
「いや…そうでもない」
―さて、どうするもんか…
矢渕は深刻そうな表情で考えていた。
隣では紙田が能天気にはしゃいでいる。
「なー、やぶっち」
唐突にニックネームで呼ばれたので内心動揺したが、表情はいつもと変わらず、無表情のままだった
「なんだ?」
「俺、いい考えあるんだけどー」
少し間をあけたあと
「耳と鼻、どっち貸してくれる?」
「…耳だな」
「カツラでもいいぞ?」
「耳だな」
「んじゃ、耳貸して」
と、思いっきり矢渕の耳を引っ張る紙田。
「あ…そう意味の?…って痛い痛い痛い!!!痛いからっ!!」
「ごめん。真面目にするから」
と、言って、矢渕に耳打ちをした。
「なるほど」
矢渕もニヤリと笑うと、
「ま、ダメだったら振り出しだな」
「俺の計画に狂いはないっ!!byキャプテンクロ」