成熟と化して

ある日、好きなゲームの新シリーズが販売された。そのゲームは徹夜で並ばないと買えない程、競争率が高かった。
それを言っても男は笑顔で『問題ないよ』と言い、出掛けていった。
私は感激した。"そこまで私のことを好きになってくれるなんて…!!!"

私はこの出来事で彼一色に染まった。
今思うと、これは好きではなく完璧にこの人のことを下僕と認識した気持ちだったのかもしれない。


その日の夜、彼がゲームを買いに行っているので、私は部屋の中で一人、ゲームをした。
『ふぅー疲れた』

私は小さく伸びをしたあと、寝ることにした。
戸締まりもきちんとし、ベッドに入り寝ることにした。

ドアが、開く音が聞こえた。




電車の中で僕は女性に一目惚れをした。

"天使だ"

見た瞬間、僕の心の中で何かが走った。

整った顔、サラサラの黒い髪。何よりオーラがまるで他の奴より違うのだ。天使、まさしく天使だ。
天使のようだ、いや、天使そのものだ

僕は天使に声が掛けられないまま、一年が過ぎた
その間、いろいろ天使のことを知った
住所、職場、家族構成など、どうやら人間らしかった。
…いや、この天使は人間に何らかの理由で化けているのだ。
じゃなきゃあんな素晴らしいオーラを放っているわけがない。

もしかしたら悪魔に何らかの無実の罪を被せられ、追われているかもしれない
そうだ!!そうに違いない。
"僕が守ってみせる"


僕は天使に告白することにした。彼氏として側にいる。そして守る。

さすが天使だ。華やかな笑顔で僕を受け入れてくれた


それからというもの、デートを重ねていった。

しかし、手を握ることや、キスをするということは天使を汚すことに値すると考え、することはなかった。
天使からもそれを求めることをなかった。


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