成熟と化して
天使のいろいろな欲求に応えた

悪魔に対抗するため、必要な物なのだろう。
文句は言わなかった。それが天使を護る、唯一の方法だと思ったからだ。


しかし僕は天使のことを護ることが出来なかった。
―悪魔に変わってしまった…悪魔に見つかってしまった…
口調は厳しくなり、笑顔をみせることがなくなった。
『キモい』などの罵詈雑言。"あぁ…天使は汚されてしまった"


それと同時にある本のことを思い出した。
"悪魔に犯された天使は、自らの手で命を絶った"と。

本の内容の天使はきっと初期状態だったから自ら出来たのだ

僕の天使は既に悪魔と化していた。
だから僕の手で、天使を浄化してあげる
それが罪滅ぼし。僕から元天使への

この悪魔は僕にゲームを買いに行かせた。
"てめーのために買いに行くか"

と思ったが、油断させるために従うふりをした。
―今日、実行するとき


ドアの鍵を開け、ゆっくりと入る。
悪魔は起きていた

何か言っている
誰が聞くか
悪魔に騙されてたまるか!!!天使に化けた悪魔めっ!!!!


買っていた包丁で悪魔の腹を切りつける
何度も。
血がドクドクと出ている
悪魔が天使に代わる気がした



どうしてどうして私は刺されるの!?

痛い!!やめて!!

意識が朦朧する。男はいつも通りの笑顔で私を見ている

『やっと…元に戻ったね』

男が意味不明なことを言っていた

今度こそ、意識が途絶える時、ふとあることを思い出した。


―愛と憎しみは紙一重。一つでも間違えると愛は消え、憎しみが次次と生まれる


どこで、誰の言葉かは思い出せない
本かもしれないし、ドラマかもしれない。

唯一いえるのが、好きでもない男と付き合った時点で私は既に間違ったのかもしれない


-end-
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