年上彼女

腕時計に目をやり、
視線を上げると

公園の入り口の階段から、
少しだけ頭が見えた

だんだんと、
顔が見え、そして
ブランコに乗る俺に気付いた
はるかが、こちらに
向かって走ってくる


おいおい、
また、躓くなよ…


なんて、思っていたら案の定…

砂場の縁に、
つま先を引っかけ
転びそうになった


はるかの元へ
歩いていた俺は、


タイミング良く
はるかを抱きとめることが出来た


「ったーくっ、
ちゃんと、前見ろよなぁ」


すっぽりと
俺の腕の中に納まったはるかが
照れたように笑う


「ははっ、また、やっちゃたぁ」


こんな時に見せる笑顔は
俺より年上なのに
ものすごく、可愛いくて…
そのまま、抱きしめたくなる…


「一真、行こうっ」


俺の腕の中から離れ、
俺の右手を引っ張って
先に歩いて行く…





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