年上彼女
俺と翔平は
顔を見合わせ…
「んなワケっ、ねーだろっ?!
はるかチャン、お前にゾッコンだったし、
お前のコト、頼りない、なんて
一言でも言ったかっ?!
言ってねーだろっ!?」
翔平が
一真の顔を見て答えた
「じゃ、じゃぁっ
なんで、はるか、俺の前から
いなくなるんだよっ!
手紙にも、何の理由もナシによっ!」
一真が翔平の胸元のTシャツを掴んだので
俺が、止めに入った
「やめろっ!一真っ!
翔平にあたるんじゃないっ!
彼女には、彼女の考えがあったんだ!
少し、落ち着けっ!」
「なんだよっ!
勝哉に俺たちの何がわかるってんだよっ!」
俺の肩を押し、
家の中へと入って行く一真…
「一真っ、
明日、ちゃんとバイト来いよ!」
翔平の言葉にも耳を貸さず、
玄関の扉を閉めた一真…
視線を足元にやれば…
さっき、一真が握りしめていた
薄いグリーンの手紙…
それを拾い、
クシャクシャになったその手紙を
きれいに、手で伸ばした…