ワタシ
初めて誠と会ったのは、私の通う高校の図書室でした
夏休みも近付き、どこまでも高く青い空と、強い陽射しに陽炎が揺らめいていたのを今でも憶えています
私は図書委員でした
昼休みにカウンターで受付をしていました
当番制にも関わらず、学校で唯一クーラーの効いている図書室に毎日通っていました
そしてあの日、誠に出会いました
いつもの様に図書室へ来た私
もう一人の図書委員の友達が誠とカウンター越しに話していました
いつも私が座っている、受付用の席に座っていたのです
私は一目で歳上だと分かったけど、
『アンタ誰?そこ私の席なんやけど?』
と、初めから無愛想な物言いをしました
それから沢山話しをしました
家の事、バイトの事、恋愛の事
その中で誠のバイト先が私の母のパート先と同じ事を知りました
当時の私は失恋して、その事もよく誠に聞いて貰っていました
その中の話しの中の何気ない発言
『どっか遊び連れてって』
私は冗談半分で言ったのに、誠は
『良いよ』
と言ってくれたんです
何かが始まる予感がしていました……