妄想ハニー
「…いつもと同じようにいけばいいのに。」
『……。』
「もう極限まで嫌われてるんだから、これ以上嫌われないし大丈夫よ。」
そう言って、あたしを託すように肩に手をおいたあと、暴れて変になった洋服の裾を直してくれる。
そりゃまあ、さっきの言葉は喜んでいいのか微妙だし。
言われたあたし的には、かなり複雑だけど。
“いつもと同じようにいけばいい”
そんな微妙な言葉は色褪せてしまうぐらい、この言葉がしっかりと耳に刻まれている。