妄想ハニー
「あーえっと、佐久間 豊。」
『へぇ~、豊くんかぁ~。』
あたしって愛想笑いできたんだな、
そんなこと思いながら、無駄にキャピキャピ声をあげるあたし。
明らかオーバーリアクションなあたしに、豊くんは照れたように髪をかき乱した。
『イメージぴったりだね~!』
さっきと凄い代わりよう。
それっぽいことを、ツラツラと言いあげる。
そして初めて彼の顔をまともに見た瞬間、あたしはあることを感じてしまった。