妄想ハニー
――例えば。
先輩が“行くな”って言ってくれれば、あたしは行かないし。
先輩が少しでも悲しそうな顔したら、あたしは今すぐにキャンセルするのに。
“遊べばいいじゃん”
…それが先輩の優しさだとしても。
あたしは止めて欲しかった。
『もう、いいです。』
「…は??」
『思いっきり楽しんできますから!』
そうヤケクソのように、お弁当の中身であるサンドイッチに噛みつくあたし。
そんなあたしを、先輩は意味わからないと言った感じで、ポカンと見つめていた。