妄想ハニー
そう言って豊くんが指差したのは、肩を寄りそい合う、前を歩く果歩たち。
その指先を辿るように、あたしも視線を動かす。
…確かに、いい雰囲気だと思う。
「あくまでも俺の推測だけどさ、2人とも両思いだと思うんだ。」
『えっ本当ですか!?』
思わず興奮して、さっきとは一変、高ぶった声をあげてしまう。
それはあまりの大きさで、豊くんに「シー」と促されてしまう。
あたしは慌てて口元を押さえ、無言で喜びを感じとった。