妄想ハニー
…全部、わかっちゃった。
先輩があたしのことを好きではないのなんて、当たり前で。
あたしに冷たいのは、そこに愛がないから。
あたしには向けられない愛は全部、
隣の彼女に向けられていたんですね――…??
「…結愛!!!!」
無意識に、あたしは駆け出していて。
先輩の聞いたこともないような大声が、背中越しに響く。
…こんな抑揚のある声初めて聞いた。
だけど、
言い訳するための大きい声なら、聞きたくないよ…。