妄想ハニー
感覚が、全てが麻痺しそうになった。
熱さと冷たさが混じった吐息を、思わず飲み込む。
「…ねぇ、俺じゃだめ??」
『……。』
「好きなんだよ、結愛が。
ずっと前から。
出会った時から。
…………ずっと。」
…豊くんは、充分すぎた。
先輩の顔と声も。
雄大くんの優しいところも。
…寂しさを埋めるには充分すぎるぐらい、似すぎていたの。
『…本当に??』
「あぁ。」
『先輩よりも、あたしを愛してくれる??』