妄想ハニー
『…先輩っ』
あたしが戸惑った声をあげると、より一層強くなる腕の力。
先輩から伝わる体温はあたしより温かく、想像以上に頬を赤くさせた。
…嬉しいけど、こんなの初めてだから、かなり混乱。
「つうか、俺ら別れてないし。」
『えっ…??』
「俺、認めてねぇもん。」
先輩の声が、吐息が、鼓動が。
全てすぐ近くで聞こえる。
息づかいまでがダイレクトに伝わるこの態勢は、なんだかくすぐったい。
っていうか、それの意味って…