妄想ハニー
「…勝手にいなくなんな。」
『……。』
ボソッとした口調の先輩に、胸がトクンと跳ねる。
ギュッ、と。
もう一度、抱きしめ直されたあたしの腰。
そこには、先輩の力強い腕が巻きついてる。
「…お願いだから。
そばに、いて。」
頬に、涙が伝う。
あたしも思わず、先輩の腰を抱きしめ返していた。
それって…
そばにいて、いいってことだよね…??
『…うわーん。』
一旦腰に巻いた手を離して、今度は先輩の首に巻きつける。
飛び乗るように先輩にダイブしたあたし。
先輩は突然のことに若干バランスを崩しつつも、受け止めてくれた。