妄想ハニー


一気に、現実へと引き戻される瞬間。


…あーあ、今、いいところだったのに。



『…なにするんですかぁ。』



あたしは唇を尖らせて、あたしを叩いた張本人の佐藤先生に抗議した。


すると佐藤先生は、別に怒ったりするわけでもなく、困ったように眉を下げる。



「佐々木…。

なに考えてたのか知らないが、授業中に変な雄叫びをあげるのは止めろ。」

『…ごめんなさーい。』



そんなあたしの返事に満足したのか、佐藤先生は「次は気をつけるんだぞ」って言って、

教卓へと戻っていった。



< 3 / 257 >

この作品をシェア

pagetop