妄想ハニー
一気に、現実へと引き戻される瞬間。
…あーあ、今、いいところだったのに。
『…なにするんですかぁ。』
あたしは唇を尖らせて、あたしを叩いた張本人の佐藤先生に抗議した。
すると佐藤先生は、別に怒ったりするわけでもなく、困ったように眉を下げる。
「佐々木…。
なに考えてたのか知らないが、授業中に変な雄叫びをあげるのは止めろ。」
『…ごめんなさーい。』
そんなあたしの返事に満足したのか、佐藤先生は「次は気をつけるんだぞ」って言って、
教卓へと戻っていった。