妄想ハニー
「…じゃあ、この辺で。」
『えっ!』
歩き初めて以来、初めての会話。
それが、別れの挨拶。
…いやいやいや、それはないでしょ。
1人ツッコミをするあたし。
これじゃあ、進展が無さ過ぎる!
『…待って!!!!』
もう背を向けている健二くんの、服の袖を慌てて掴む。
健二くんの自然な無造作ヘアが風になびいた。
…どうしよう。
思い切って止めちゃったけど…。
何をすればいいかわかんない!
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