妄想ハニー
『……。』
「……。」
無言の空気が走る。
健二くんの鋭い目つきが、『早く帰りたいんだよ』って言ってるみたいで、なんだか恐怖が芽生えた。
…本当、どうしよう。
特に用があって止めたわけじゃないし。
っていうか健二くん、帰りたがってる、よね…??
途方にくれたあたしは、辺りを見渡したり、バックを弄ったりして時間を潰す。
そして、がむしゃらにバックのポケットに手を入れた瞬間、あたしは光を見つけた気がした。