妄想ハニー
「…それに、違う自分を繕ったって、なかなか上手くいかないものだよ??」
まだ、グチグチ言ってくるママ。
予想外のしつこさに、あたしは若干眉を寄せる。
一体、何が気にいらないわけ??
それに外見だって、その人のよさの1つじゃん!
「…結愛。」
突然。
さっきまで一言も喋らなかったパパが口を開いたから。
部屋がシンと静まり返る。
さっきまで黙っていたからこそ、パパの言葉は威厳が感じられ、
喋ってはいけないような感覚に襲われた。