妄想ハニー
重なるように先輩が口を開いたから、あたしは慌てて口を閉じる。
今はあたしが変にでしゃばるよりも、先輩の言葉を聞く方が適切だと感じた。
「…変に飾られるよりはマシか。」
それはあくまでも自然で、一瞬のことだった。
あまりにも突然すぎるそれは、あたしの呼吸を一時的に止めるには十分。
――先輩が、笑った。
『……っ』
別に普通だったら、こんなことで感心したりしないけど、先輩だからこそ息を呑んでしまう。