春も嵐も
「それで、親父たちはどうするって言ってるの?」

そう聞いた俺に、
「考え中、だから集まってんじゃないの」

ため息混じりに、弥生が答えた。

「俺たちじゃ役に立たないのかな?」

「それはあたしにもわかんない。

相手は資産家だし…」

俺たちは顔を見あわせると、ため息をついたのだった。


「似たようなことを思ってた」

美波さんが言った。

梶原家の茶の間のちゃぶ台を囲みながら、3人で会議中である。

ちゃぶ台のうえには、『松田堂』の和菓子があった。
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