春も嵐も
デカく見開いた目はまるで猫のよう…と言う表現は置いておく。

「資産家だか資本家だか何だか知んないけど、あんたみたいなわがまま人間に売る訳ないでしょ」

「なっ…!」

冷静な攻撃口調で言った俺に、藤見椎葉の顔が真っ赤になる。

「だいたいさ、資産家なら腐るほど土地を持ってるんでしょ?

しかも、あんたみたいな稼ぎ頭だったら使い切れないくらいに金が余ってんじゃねーの?」

俺の言葉に、藤見椎葉は逆立ちでもしてるのかと言うくらいに顔を赤くさせていた。

「って言うか、商店街の連中が反対した時点であきらめて他を探せよ」

頭から湯気でも出ているんじゃないかと言うくらいに、藤見椎葉の顔は赤い。
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