春も嵐も
*゚。弥生Side。゚*

嵐が出て行くと、うつむいていた顔をあげた。

「…バッカみたい」

小さな声で呟いた言葉は、誰の耳にも届かない。

あたし、わかってる。

嵐に、恋をしてる。

弟以上の感情を抱いている。

血の繋がりがあるかも知れないのに、何をやってんだろ?

気持ち悪いよね?

お姉ちゃんが弟に恋してるだなんて、ケータイ小説の話じゃあるまいし。

けど…身内同士の禁断ものって、たいていは血の繋がりはありませんでしたって言うオチなんだよね。

そんなオチを期待しちゃっている自分は、大バカもいいところだと思った。

*゚。弥生Side。゚*END
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