春も嵐も
「朝から掃除なの?

えらいじゃない?」

その声に視線を向けると、藤見椎葉が俺の前に立っていた。

スパイラルだった髪は、色は金髪のままだけどストレートになっていた。

一瞬誰なのか、俺は理解ができなかった。

と言うか、
「大砲でも投げにきたんですか?」

俺は聞いた。

金と権力と言う名の、デカい大砲を。

つーか、わざわざ髪を変える必要なくねーか?

「やーね、そんなことじゃないの」

フフッと上品に笑っているその姿は、さすがお嬢様である。

それなりの躾は、身につけているらしい。
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