春も嵐も
あたしがそんな顔をしていたのか、
「裏があるとしか思えない」

トーゴちゃんが言った。

「裏?」

聞き返したあたしに、
「嵐さんを丸め込んで、商店街を売ってもらうって言う作戦だよ」

淡々とした口調でトーゴちゃんが言った。

「ええっ?」

「嵐さんに恋したって言うのは、あの人の立て前だ。

裏では商店街売却のために嵐さんを利用してるんだよ」

「ウソ…」

そんな理由なの?

「まあ、しょせんは俺の勝手な推理だから。

正解の確率は10パーセントに満たないと思う」

そう言うと、トーゴちゃんは頭を乱暴にかいた。
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