春も嵐も
「もし、そうだとしたら?」

そう聞いたあたしに、
「忠告した方がいい。

嵐さんがヤヨ姉ちゃんじゃなくて、藤見の方に気持ちが傾く前に」

トーゴちゃんが答えた。

「…えっ?」

あたしは聞き返した。

今、何て言ったの?

そんなあたしにトーゴちゃんは不思議そうな顔をすると、
「嵐さんのことが好きなんじゃないの?」
と、言った。

「…バッ、バカ!」

何でトーゴちゃんがそんなことを知ってるのよ!?

「あたしたちは姉弟…」

「かも知れないんでしょ?」

先にセリフを言われたあたしは、絶句するしか他がなかった。

「初めてヤヨ姉ちゃんと嵐さんの顔を見た時、全くと言っていいほど似てなかったから。

それに…」
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