春も嵐も
なるほどって、何だか意外な反応だ。

「薄々だけど、そんな予感がした。

あんなに相手を罵った翌日にひょっこりと現れて、好きになったとか何とか言いにくるなんておかしいと思ったんだよ」

淡々と、嵐は当たり前のように理由を述べた。

「だいたいは怒って爆弾とか大砲を投げるのが正しいだろうに。

藤見椎葉のヤツだったらそんなことをするだろうと思ってたからな。

それに…」

「…それに?」

「あの態度の化けぶりはどう思う?」

確かに、おかしいかも。

プライドの高い悪役お嬢様から一転、人がよさそうな愛想のいい町娘に…あの豹変ぶりはいくらなんでもおかし過ぎる。
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